Sorry...Japanese Only.

76歳おばあちゃんバージョン

朝、目が覚めた

今日は何月何日だろう、あー、わからない

でもそんなことどうでもいい

まだ、雪があるから完全に春じゃない

 

ジャーに入っているごはんと、たまごを落としたみそ汁を食べ、

食器を洗い、洗濯機を一回、まわす

つけ放しのTVの前に座り、NHKの朝のドラマを観る

雑然とした本棚に一冊の小さいアルバムをみつけ、広げてみる

あらー、なつかしい、あの時の写真だわ。

そういえばこのときは、ああだった、こうだった、思いめぐらす

社会と断絶した頭の中は、思いでばかり、ぐちゃぐちゃに詰まっている

手足のしびれがきになる、近所の整形外科へリハビリに出かけ、

わずかの時間、現実から逃避する

外に出ると、目の前のセブンイレブンに足が向く

お昼ご飯にあんパンを買いに、孫のためにお菓子を買う

 

一日中TVの前に座り、何十年も同じ部屋の中を見回す

一冊の文庫本を見つける、澤地 久枝の「女たちの昭和史」

私が買ったんじゃない、でも読んでみるか

 

最後の一行を読んだだけで、頭の中を私の人生が駆けめぐる

ぐるぐる、自分の人生を回顧する

物音で我に返ったとき、窓の外は夕闇

お腹が空いた実感もないまま、冷蔵庫の扉を開け

朝の残りのおつゆと、ジャーのごはんを食べる

食器を洗い、又、TVの画面を観続ける

頭の中は楽しい過去の毎日、ふっと時計を見ると、9:30

ふとんを敷いて寝るとするか、と床に入る

そういえば、父さん、今日も病院でもう寝たかなと思いながら

頭の中は、又、グルグル若かりし自分たちの思い出

眠れないわと寝返りうちながら、何となく、何か、楽しい思い出はなかったかと

子供の顔を思い返してみる


もどる。